教えて!プリント基板の基礎知識

プリント基板には保管期限や寿命がある?

プリント基板の保管期限や寿命について説明する男性プリント基板には、基板メーカーが品質を保証する保管期限が存在します。また、基板メーカーから納品されてから、電子部品を直ちに実装せずに一定期間保管する場合は、基板メーカーが推奨する保管環境条件を守ることが重要です。保管環境条件を守らないとプリント基板の寿命を縮めてしまう可能性があり、期限内であっても品質が劣化してしまう恐れがあるため注意する必要があります。

各基板メーカーが推奨する環境条件は細かな部分に差異はあるものの、基本的には直射日光を避けるとともに、低温低湿な環境が望ましいとされています。一般的なFR-4などのプリント基板の場合は、具体的には温度が20~30℃以下であり、湿度は50~60%以下の環境が推奨されていることが多いです。

基板の保管方法として、直射日光を避ける必要があるのは、日光によって変色や性能劣化につながる恐れがあるためで、反り返りやねじれなどの変形を防ぐためでもあります。また、高温多湿な環境に長期間保管しておくと、プリント基板に使用されている銅箔に酸化反応が発生して、導電性が低下してしまいます。さらに、湿度が高い環境の場合、基板が吸湿してしまい、ハンダ濡れ性が低下して電子部品を上手く実装できないという事態に陥る恐れがあるのです。

その他にも、基板層の間に水分が入り込むと、デラミネーションと呼ばれる層間剥離の原因となります。また、電子部品実装時の熱によって、基板層の間に入った水分が膨張することで基板層が剥がれるミーズリングという現象にもつながる可能性があります。層間剥離やミーズリングが生じた基盤は製品としては使用できず、破棄するしかありません。

ちなみに、保管期限が長期にわたった場合は、乾燥炉で基板を加熱することで湿気を飛ばすベーキング処理を行うことで品質低下を軽減できる可能性があります。ただし、反り返りなどの変形が生じたものに関しては、ベーキング処理を行っても効果がないことがあるため注意が必要です。さらに、サイズが大きい基板を立てかけておくと、反り返りや折れ、ねじれなどの原因となります。そのため、基本的にプリント基板は平たんな場所に置いておくのが基本です。ただし、複数の基盤を重ねておいても、基板が湾曲する恐れがあるため注意する必要があります。

なお、基板メーカーが保証する保管期限を過ぎた基板は、寿命を迎えて使用できないというわけではありません。一般的なプリント基板に使用されているエポキシ樹脂は、温度や湿度変化に強いため、適切な環境で保管しておき、変形や銅箔のサビなどが発生していない基板であれば、製造後5年程度は問題なく使用可能です。

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